2019年10月14日月曜日

芥川龍之介「女」


「Sam Smith」の「 I'm Not The Only One」のミュージックビデオが好きでYouTubeで
何度も見た。綺麗に着飾った女が、男を満面の笑みを浮かべ玄関の戸口から見送る。
女は男の車が見えなくなるまで微笑んで見送っている。だが、男を見送った後、女は
嗚咽して泣き崩れる。その頃男は別の女と楽しい時を過ごしている。そして、
男は家路につく。家に着くと玄関の扉が開き、女が満面の笑みを浮かべ男を
出迎える。
私は笑顔で男を出迎えるこの女の心情が分らない。女の笑顔は男の
資産や財産目的なのだろうか。もしそうであれば、男の居ない家で泣き崩れるのは
不可解だ。

浮気して帰宅した男を満面の笑みを浮かべ男を出迎える女の不思議に自分なりの
解釈を考察してみることにした。

男が女を選択するのは簡単だ。高望みせず自分に気にありそうな女なら基本的には
誰でも大丈夫だ。
だが、女が男を選択する理由は多岐に渡る。その証拠に女性向け恋愛小説、
漫画は無限に存在する。では、女が男を選択する基準を主観的に単純に列挙してみる。

  1. 資産家である。
  2.  ハンサムである。
  3.  スポーツマンである。
  4.  ミュージシャンである。
  5.  高学歴である。
  6.  芸術家である。

上記に示した内容は男の集合体なのでクラスと考えて良い。では、このクラスの親つまり集約を
考察すると「上質なDNA」というクラスが考えられる。(DNAはそもそもが継承だ。
でも女が大多数の男から一人を選択するということから集約とした方がつじつまが合う。)



(資産家はDNAと関係ないのかもしれないが、資産家の家柄及び資産を生み出す為の資質を生れな
がら持っていると考えるとDNAは無視できない。)

女が男を選択する最も重要なことが「上質なDNA」であることは、女が子供を生むという重要な役割
を持っていることから理解できる。自分の子供は「上質なDNA」で有ってほしいと望むことはだれ
でも理解できる母心だ。これはフロイトが言うところの女の自我(エゴ)なのだろう。だが、女の
自我をそのまま許したら男一人に複数の女というハーレムを構成することになり、ひいては近親相姦を招き自分達の絶滅につながりかねない。だから人間社会は女の自我を抑え込む為、
婚姻制度を確立し、「女の幸せは結婚」という超自我(スーパー・エゴ)を家庭や学校ひいては
社会全体で女に植え付けた。

このように女の自我は「上質なDNA」の獲得と考えると、
「Sam Smith」の「 I'm Not The Only One」のミュージックビデオで浮気して帰ってきた男を
笑顔で迎える女の心情が見えてくる。この女は「上質なDNA」を確保する手段として浮気を見て
見ぬふりをした。だが、同時に、この女が「上質なDNA」を確保した暁には、浮気男に手痛い
しっぺ返しが訪れることも想像できる。

芥川龍之介「女」は雌蜘蛛の話だ。私はこの文章を読んだとき雌蜘蛛に対する悪意しか伝わってこなかった。
この雌蜘蛛は「女」のことだと思うから、芥川龍之介は女(特定の女だと思うが?)に悪意を持っていたとしか思えない。
ではなぜ、芥川龍之介は女に悪意を抱いていたのだろう。この疑問を解く鍵は女の「上質なDNA」
を確保するという自我にある、と考察できる。

女は「上質なDNA」を確保する手段として愚かな「策」を講ずる。これはよく恋愛の駆け引きとして小説や映画などの題材になる。でもこの「策」は男の争奪戦でしかない。しかし、これは「女の幸せは結婚」という超自我が効いている女達の話だから楽観視できる話だ。
最悪なのは、この超自我が効いていない女だ。

芥川龍之介「女」が発表されてのが大正9年だが、当時、テレビ、ラジオ、ましてはインターネット
もない時代だ。この時代の情報はもっぱら書籍だっただろう。だから小説家の芥川龍之介は
「上質なDNA」に分類される有名人だったから女達の憧れの的だっただろう。
そんな女達のなかに「女の幸せは結婚」という超自我が効いていない女が居ても不思議ではない。こんな女は「上質なDNA」を確保する為だったらありとあらゆる手段(悪い言い方で色仕掛け)
で芥川龍之介に迫ったと思われる。そして、「上質なDNA」でありかつ繊細な心を持つ
芥川龍之介は女のその行為を愛情と勘違いした。しかし、女は「上質なDNA」の確保という
目的を果たしすと、何も言わず乳飲み子と共に芥川龍之介前から消えた。この時の女に
裏切られた心情を綴ったものが「女」だと思った。

これは芥川龍之介「女」を読んだとき私の脳裡に浮かんだ内容だ。
もし芥川龍之介が「上質でないDNA」の男達のように寛大に女と付き合うことができたら
「女」という小説は別物になっていただろう。なお、この芥川龍之介「女」の感想は
「上質でないDNA」の代表格である私の芥川龍之介に対する嫉妬である。
(女にモテたいな。くそっ!)

0 件のコメント:

コメントを投稿