スタバの店内は人でいつも騒然としている。そんななか大きなテーブルに座り、タブレットを開きイヤホンで音楽を聞き出すと、なぜか集中力が増す。
いつもは動画を見るのだが、今日は珍しく芥川龍之介の「秋」を読んだ。
主人公「信子」は文学少女、そして周りから将来一緒になると噂されている従妹といつも小説談義に花を咲かせていた。でも、妹の従妹に対する思いを知ったからどうかは分からないが、学校を卒業すると結婚して関西に移り住む。 信子の旦那は可もなく不可もない存在、そんな中、妹が従妹と結婚した。そして「秋」が深まった頃実家に帰宅して妹に会いに行く。そこで久ぶに従妹と再開・・・。
なんて映画や漫画だったら何かドラマでもあるのだろうが、特になにも無く小説は終わった。 私は小説を読み終えて「秋だな。人恋しくなる季節だ」と思いタブレットを閉じた。
この「秋」は動画でも映画、ましては漫画でも描けない、小説ならではの世界だと思った。