'80年代初頭最も有名なエキスパートシステムは「Mycin」だった。
このエキスパートシステムは単純なルールに対して「はい」「いいえ」を応答することで診断するものだった。
当時、この「Mycin」よりシステムを動作させる「E Mycin」の方が有名だったと思う。
ルールとは早い話、if分である。
つまり、ルールとはオブジェクト指向で蓄積されたデータから、if文で結果を導きだす方法だった。
今の人工知能は、これとは別だとは思うが、基本的には同じだと思う。
昨年末待望のPS4を購入した。
ゲームがしたたかったこともあるが、テレビでHuluを見たかったのが最大の理由だ。
先日、Huluの動画で「Dr.HOSE」を見た。
内容は、難病の原因を突き止め患者を助けるものだ。
普通、名医と聞いて連想するのは、温和で人受けの良い人だ。
だが、このDr.HOSEは毒舌で自己中心的な、嫌な奴だ。
この嫌な奴は、人が嫌がることを平気で言う。
では、こんな嫌な奴が名医と呼ばれる原因は、シャーロックホームズ並みの観察力にある。
普通の人は、毎日付き合っている家族でも、父親に微熱があるなんてことは気づかない。
この嫌な奴は、普通の人が見逃す変化を見逃さない。
そして、この嫌な奴は、変化の原因を見つけるまで執念深い。
この「Dr.HOSE」を見て、思ったことは、ルールベースの人工知能には限界がる、と感じたことだ。
ルールベースはシングルスレッドだから、一つの事象を突き詰めることしかできない。
だからと言って、ルールベースをマルチスレッドにしたからと言って解決するわけではない。
ルールベースの人工知能は、普通の医者レベルまで高められるだろう。
でもこれではだめだ。
人工知能は名医でなければならない。
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